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きいたんとルー きいたんとパンツ。

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きいたんとルー きいたんとパンツ。


 
 


昔々、あるところに、
きいたんというたべこが住んでいました。
たべこというのはちいさいひとのことです。
ちみことも呼ばれます。
食べて、寝て、にこにこして、
みんなに大事にしてもらうのがお仕事です。
きいたんもお兄ちゃんやお姉ちゃんにお世話をしてもらい、
仲良しの犬のルーと遊んで、毎日幸せに暮らしていました。

今日は日曜日。
お仕事がお休みのお兄ちゃんに遊んでもらい、
お姉ちゃんが作った美味しいお夕飯を食べたきいたんは、
一番最初にお風呂に入ります。
きれいに洗ってもらったきいたんは、
体にタオルを巻いて、ご機嫌で出てきました。

けれども、なかなかお着替えをしません。
「きいたん、早くお着替えしなさいよ。」
「んー」
お姉ちゃんに注意されるんですけど、
きいたんは早速テレビを見始めて、お着替えをしません。
お着替えよりも、テレビのおじちゃんが探している犯人のほうが、
ずっと気になるのです。
「このひとが、きっと、はんにんだよ!」
「そんなことはどうでもいいから、まず、パンツを履けよ。」
お兄ちゃんに注意されましたが、
きいたんは、やっぱりパンツを履きません。
今度はお父さんに叱られました。
「テレビなんか観てないで、今すぐパンツを履け!」
「んー」
でも、やっぱり、きいたんはお着替えどころではないのです。
だって、今日は日曜日。
お兄ちゃんも、お姉ちゃんもゆっくりしていて、
のんびりテレビを見る日なんです。
きいたんだって、テレビを見たいのです。

けれども、お着替えはしないといけないのです。
とうとう、お父さんが怒りだしました。
「どうして、お前はパンツ一つ履かないで、
 いつまでも裸でうろうろしてるんだ!」
ルーが面白がって騒ぎます。
「きいたん、パンツ履かずに! パンツ履かずに!」
きいたんは、言い返します。
「ルーだって、はいてないよ。」
何故、ルーは裸でいいのに、きいたんはダメなんでしょうか。
「ルーは犬だろ! 正確には犬じゃないけど、
 兎も角、ちゃんと毛皮来てるだろ!」
お父さんに怒られて、
きいたんは更に言い返します。
「でも、ひげちゃんだって、いつもはだかんぼだよ。」

そうなのです。
お兄ちゃんの一人のヒゲさんは、
一度服を脱いだら、なかなか新しいお洋服を着ません。
ヒゲさんと仲良しのジョカさんとポール君が、ヒゲさんに言いました。
「確かにそうですよね。
 ヒゲさんはパンツぐらい履くべきだとオレも思いますよ。」
「お前にモラルはない。 Not モラル。」
「モラル!!!!!!! 確かにないかもしれない!!!!!」
言われたヒゲさんは頭を抱えて叫びましたが、
あんまり困った様子はありません。
モラルとは何でしょうか。
小さいたべこさんのきいたんには、良く分かりません。
分からないからには、きっと大したものではないでしょう。
少なくともヒゲさんにはないようですが、お父さんは言うのです。

「ヒゲはそれで姉ちゃんたちに豪い怒られてるだろ!
 お前も怒られないとわからないのか!」
確かにヒゲさんは、いつもお姉ちゃんに怒られます。
お姉ちゃんに怒られるのは嫌です。
仕方がないので、きいたんはパンツを履きました。

そうこうしているうちに、
テレビの中では犯人が逃げ始めました。
これは目が離せません。
「きいたん、早くパジャマも着なよ。」
お兄ちゃんに注意されますが、そんな暇はないのです。
また、お父さんが怒りだしました。
「お前、いつまでそんな恰好でいるつもりだ!
 パンツ一丁でうろうろしてるんじゃない!」
それでもテレビが見たかったきいたんは、言い返しました。
「でも、ゆっちんだって、いつも、ぱんついっちょだよー」
言われたユッシお兄ちゃんが飛び上がって叫びます。
「そんなことないよ! うちはシャツも着てるぞ!」
パンツでうろうろなぞしていないと、主張するユッシンでしたが、
すぐに後ろからノエルお兄ちゃんと、
フェイお兄ちゃんの突込みが入りました。
「そういう問題じゃない、ユッシ。」
「それに、シャツを着てる確率が低すぎるよ。」
無表情で責められて、負けず嫌いのユッシンは、
ほっぺたを膨らませて文句を言いました。
「それでもフェイさんが酔っ払ってる確率より高いよ!」

「なんだこの、低次元の争い。」
言い争っていることが言い争っていることなもので、
鉄お兄ちゃんが、がっくりと肩を落とし、
お父さんもとうとう本気で怒りだしました。
「もう良い! だったらいつまでも裸でいろ!」
「いや、それは良くないですよ、師匠!」
「きいたんは女の子なのに!」
お父さんの宣言に、慌ててお姉ちゃんたちが止めますが、
怒ったお父さんは止まりません。

「裸が良ければ、いつまでも裸でいればいいんだ!
 それで風邪をひこうが、腹を下さそうが知ったことか!
 ユッシやヒゲと同じになれば良いわ!!」
「いやだー!!!!!!」
なんて、恐ろしいことを言うお父さんでしょうか。
そんなの飛んでもございません。
大慌てできいたんは、シャツを着て、
パジャマに着替えました。
「着替えたなら、さっさと寝ろ!」
そのままビィビィ泣き出してしまったきいたんは、
お父さんに抱えられ、お布団に連行されていきました。

運ばれていくきいたんに、ポール君が声を掛けます。
「おやすみ、きいたん。
 また、明日ね。」
たべこは、早く寝なければいけません。
でないと、大きくなれませんから。
ちゃんと食べて、ちゃんと着替えて、ちゃんと寝る。
それがきいたんのお仕事なのです。
しかし、それにしても。

「…最後に泣き出したのって、
 風邪をひくのが嫌だったからだよな?」
「おなかも壊すと、大変ですからな!」
ユッシンとヒゲさんは腕を組んでうーんと唸りましたが、
果たしてそうなのでしょうか。
答えは誰も知りません。

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